看護師の職場環境にも地域差がある

地域の病院も歴史のあるところが多く、代々経営基盤がしっかりしているところも少なくありません。そのため、看護師として勤務すると、非常に信頼され、辞めるまで勤める看護師が多く存在します。

看護師の職場環境にも地域差がある

最近目にする「離島応援ナース」「都市圏応援ナース」といった求人サイトの広告、十数年前からあったのをご存知でしょうか?そして、ここ数年増加しているのが「留学ナース」。年間200人ものアメリカ、オーストラリアなどへの留学を行っているのが「パワーナース」という人材斡旋企業。熊本で創業してもう25年にもなる、業界一の老舗といってもよいでしょう。

都市部での看護師求人では、日勤で2,000円というものもあれば、夜勤ありで年収500万円も結構増えています。かといって、地方はどうかというと、過疎地や離島での診療所でも年収が都市部と変わらないところもあり、人手が足りないところほど、高額になっているのがわかるでしょう。

もう一つは疾病症例の地域差があります。東北地方より北では脳外科や呼吸器科病棟の入院数は多く、こういった症例は長期入院が避けられません。そのため、専門病院での看護師を確保しようと、全国的に宣伝するケースがあります。一方で九州の場合は生活習慣病患者とリハビリテーション患者の増加の影響で、療養型よりも通院型や訪問看護を求める状況があります。

長野県は予防医学に大変力を入れている事から、県民医療費が少ないことで知られています。少なくとも、国民1人当たりの医療費が少ない場合は、県の予算にも影響が出て来ます。もし、周産期医療センターに勤めたいならば、症例の多いところに行くべきか、あるいは晩婚化の進んだ地域に行くべきかなど、選択肢は多く見つかるでしょう。

職場環境はクリニックの方が忙しい、という場所もあります。相次ぐ総合病院の撤退で、地域の中核病院だけが全診療科を持ち、県民病院や労災病院などが一部の診療科から手を引く状態はすでに当たり前。ですから、クリニックへまず通い、紹介状をもらって中核病院にいくのが地方都市の傾向です。看護師としても、呼吸器科担当だったのに非常勤医がいなくなってしまって、月一回の診断のために外来を勤めるのでは、張り合いも失ってしまうかもしれません。

ですから、地域性というより、地場のしっかりした病院かどうかが求人の条件になります。まず、院長と理事長が別々の場合は、どこが経営しているかをみましょう。例えば、大学が経営している病院であっても、看護ステーションは結構切り捨てる場合があります。ですが、地域に根を張っている専門病院の場合は、確実に患者がついていることが多く、職場環境としては整っています。専門学校などを経営している場合は、特におすすめの可能性があります。

看護知識Quiz: