看護師の職場環境にも地域差がある

地域の病院も歴史のあるところが多く、代々経営基盤がしっかりしているところも少なくありません。そのため、看護師として勤務すると、非常に信頼され、辞めるまで勤める看護師が多く存在します。

ベッドメーキングは面倒

看護学生にとって、星の数ほどある試験をクリアしていくことは、それだけ国家試験受験資格に近づくことになります。で、ですが、ベッドメーキングは非常に細かい技の作業です。また、直接患者に喜ばれる部分ではないことが多く、面倒と感じる看護師も随分いるものです。

実際に大学病院や総合病院の場合、ベッドメーキングとリネンを外注に出すところが増えています。自前で行っているのは、看護助手や准看護師が行うところが多く、病棟看護の看護師でも実際にベッドメーキングを行うことなく離職してしまうケースをよく聞きます。

ベッドメーキングが面倒と感じるのは、長方形にきちんと合わせて、3枚重ねて…という技術的なこともありますが、そのほとんどはメーキング中の姿勢によるところが大きいのです。病院のベッドの高さは50センチメートル以下になっています。万一転落しても衝撃からの損傷を防ぐ高さであり、移動しやすい高さが50センチという数字です。

ところが、160センチの看護師が50㎝の高さでメッドメーキングを行うと、体の3分の1ほどかがみ込まなければならないことになります。これは、調査によって筋骨格に負担がかかる高さであることが立証されています。そのため、高さを手回しハンドルで高く調整してから済ませるとよいのですが、こうした手間は時間のロスになりますので、看護師はやりたがりません。

結果、一秒でも早く行うベッドメーキングとその後の患者の搬送で、腰を痛める看護師が増加してしまうのです。ちょっとした苦痛で面倒と感じる様になるのでは、本末転倒です。ベッドの高さが看護師の立場で楽に上下できるようになれば、非常に楽になるに違いありません。