看護師の職場環境にも地域差がある

地域の病院も歴史のあるところが多く、代々経営基盤がしっかりしているところも少なくありません。そのため、看護師として勤務すると、非常に信頼され、辞めるまで勤める看護師が多く存在します。

落ち着いた印象の病院が多いのです。

北海道は、日本列島の中でも医療状況が極めて特殊な土地です。夏場が短く、一年の半分は冬と考えてもよい土地柄であること、札幌圏と地方都市(旭川帯広、函館、室蘭、北見、釧路など)、そしてそれ以外の町村では、財政規模や人口比でもあまりにも様々な格差があります。そして、過疎地域の医療事情は極端に「弱い」のが実情です。

札幌市は人口で200万人弱、周辺都市を含めれば、5人に3人は札幌圏で住むか働くかということになっています。そのため、通院する患者の多くは周辺の市町村からであり、冬場は雪で通院できないため、やむなく入院という措置が取られているほどです。

北海道の場合、専門病院の力が非常に高く、専門医が多いのが特徴です。脳外科ならばA、腸ならばB、肺ならばC…といった具合で、臓器ごとに専門医がいるほどで、その実力は大学病院よりも民間病院の方が上、といわれているほどです。また、札幌以外でも、旭川市釧路市など、地域の大規模病院に名医が集まっており、看護師の求人も全道的にあるのです。

札幌市は全国的に見ても、ドラッグストアや調剤薬局が非常に多い土地柄です。看護系大学も続々と出来ており、系列病院へ入職する看護師を囲い込もうと躍起になっているのです。また、冬場の入院数が全国でも飛び抜けて多いため、病棟管理の看護師は常に不足しています。冬場は雪のため、通勤に時間がかかることもあり、看護師によっては、都心に住まなければ通えない場合も少なくありません。

また、自宅から職場へ通う際に駐車場を2カ所確保しなければならないこともあります。自宅の駐車場はもちろんですが、職場の駐車場が狭い場合は、病院周辺の月極駐車場を確保しなければなりません。駐車場も、冬場は除雪がきちんと行われるのか、あるいは屋根付き駐車場なのかなど、細かい部分を確認する必要が出て来ます。

過疎地域での場合は、まずは通勤が可能かどうか、住居環境はどうかを見極めないといけません。また、大規模病院とクリニックとの勤務の忙しさは非常に差があり、勤務地からできるだけ近い場所に住むことが必須となります。また、自家用車での通勤が基本です。

名医や研修医が全国から集まる病院には、スキルの高い看護師も集まってきています。土地柄、地元出身者も道外出身者も隔たりがなく、職場の雰囲気に差別的なことはまずありません。子育て後の看護師の就職率も高いことがあって、50代60代の看護師も多いため、落ち着いた印象の病院が多いのです。